Shopifyの調査から予測するEコマースの未来

2021.01.22

今、商取引の世界で大きな変化が生じています。この1年で、ビジネスを成長させる方法が大きく変わりました。

消費者のショッピングの仕方や支払い方法も変化しています。Eコマースの時代が始まった今、それは単なる取引以上の意味を持ち、売り手と顧客の関係を深めるやりとりが重要です。

Shopifyでは、世界中に100万人以上いるShopify事業者のデータを集め、消費者にアンケート調査を実施しました。このレポートでは、そこから浮かび上がった5つの主要な予測を紹介しています。

小売ビジネスの新しい在り方と次世代の消費者が、従来のコマースをどう変えるのか?本レポートをわかりやすく解説します。

Eコマースの未来を照らす主要な予測





日本のEコマース成長率は他国と比べて緩やかであるものの、新型コロナウイルスによる世界的パンデミックの影響を受けて、初めてオンラインショッピングをする日本人が増えています。

この変化により、オンライン販売を始めた企業が増えただけでなく、メールやアプリ、店舗などのオンライン・オフラインを合わせて一環した顧客体験を提供する動きが活発になりました。この一環した顧客体験の提供は「オムニチャネル戦略」や「OMO(Online Merges Offline)」といった用語で表現されています。

顧客との関わり方やサービスの在り方が考え直されていくなか、ShopifyはEコマースの未来について5つの予測を立てています。

● Eコマースが伸び、若い消費者層がビジネスを変えていく
● 地域のビジネスに新たな機会が誕生
● 個人経営店の利便性・信頼感向上がカギ
● 消費行動は意思表示になっていく
● 金融ソリューションがビジネスを変えていく

これらの5つの予測について、詳しくみていきましょう。

予測(1)Eコマースが伸び、若い消費者層がビジネスを変えていく



Shopifyの調査によると、新型コロナウイルスの感染拡大以降に84%の人がオンラインでショッピングをしています。それに対し、実店舗でのみ買い物をした人は65%。また、実店舗で買い物をした人のうち、38%は2020年初めと比べて実店舗で買い物する頻度が減ったと答えています。

今、消費者の46%が対面での買い物に不安を感じており、半数以上が混雑している時間帯や人混みを避けています。また8割近くが今後半年間、定期的にオンラインの買い物をするつもりだと答えました。海外でも、カナダやフランス、イギリス、オーストラリアなどでEコマースを初めて利用した人が増えています。

大手小売店やチェーン店ではない独立系小売店で買い物をする若い消費者層の半数は、SNSを通してブランドを見つけています。年代で比較すると、SNS経由で購入する35~54歳の中年層は43%、55歳以上では25%にとどまります。また、購入の場面でも若年層の28%がSNS経由で購入したと答えているのに対し、中年層では20%、55歳以上では8%。SNSを介したEコマースは若年層が牽引していることがわかります。

また、若年層の特徴として、サステナビリティに配慮した商品を選ぶ、また新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、社会によい影響を与えるために独立系小売店から購入するという傾向もみられました。

消費がEコマースにシフトするこの動きは、 若い消費者層によって今後も加速するでしょう。 ブランドはオムニチャネル戦略の強化を図り、SNS活用に投資し、加えて信頼性や安全性、サステナビリティ、パーパスなどを証明する必要があります。

予測(2)地域のビジネスに新たな機会が誕生



Shopifyを利用する事業者は、新型コロナウイルス感染拡大当初の6週間における実店舗の売り上げロスのうち、94%をオンライン販売に移行できました。

これは新しい戦略やテクノロジーを通して消費者の購買行動の変化に適応したためです。具体的には非接触型決済、入店予約制、新たな商品受け取り方法と配達方法の提供といった戦略が挙げられます。

2020年5月から8月までの間、オンラインで買い物した人のなかで店舗受取または宅配受取を選択した人は、購入金額が通常より平均23%多いという結果もみられました。

オムニチャネルの機能を充実させて購買体験の満足度を上げることにより、 実店舗に新たなビジネスチャンスが生まれます。さらに地域の消費者にアプローチしやすいことから、優位性を確保できると考えられます。

予測(3)個人経営店の利便性・信頼感向上がカギ





3つめの予測は、個人経営のスモールビジネスがもつ可能性についてです。Shopifyの調査ではスペインやニュージーランド、アメリカなどの消費者に、個人経営店で買い物をして支援したいと考えている人が多いことがわかりました。

その一方で消費者は、実態として利便性の高い店で購入していると答えています。 個人経営ビジネスを支援したいという意思があるにもかかわらず、新型コロナウイルスの感染拡大以降、個人経営ビジネスで買い物したと答えたのは消費者のわずか29%だったのです。

消費者が大手で買い物をする主な理由は、「充実した品揃え」「最も低価格」、そして「信頼できるから」となっています。

対して、個人経営ビジネスで買い物をする主な理由は、「企業家を応援したい」「独自の品揃え」、そして「カスタマーサービスが優れている」です。

この調査から読み取れるのは、個人経営のブランドは消費者に見つけられやすくすること、利便性や高め、顧客体験プロセス全体を充実させることが成功のカギになるということでしょう。

その足がかりになりそうなのは、スピーディーな無料配送やチャットを使った会話型コマースです。

2020年3月中旬から7月初めまでの間、メッセージングアプリ「Shopify Ping」を利用して顧客とやり取りした事業者数は72%も増加しました。そしてチャットに起因する売上は、同期間に185%も増加しています。このように一人ひとりの顧客との深いコミュニケーションや、きめ細かなサポートは、スモールビジネスに優位性があるといえるでしょう。

予測(4)消費行動は意思表示になっていく





Shopifyの調査によると、消費者の約半数が地域ビジネスやサステナブルな商品を選んでいます。また、消費者の23%は環境負荷の軽減も意識しています。それが地域または個人経営店での買い物という行動に表れているのです。

購入されるたびに寄付を行う小売業に対して、スペインやイタリア、フランス、イギリスの消費者は他の国の消費者と比較してより好反応を示すという結果も出ています。

今後はさらに多くの消費者が、消費行動を通じて意思表示をするようになっていくことが予測されます。

地域ビジネスやサステナブルな商品を支援する消費者が増えている今、 ブランドは信頼性と透明性を高め、社会に対する責任を果たさなければなりません。

予測(5)金融ソリューションがビジネスを変えていく





最後の予測は、現代の金融ソリューションにかかわるものです。

外部からの融資を申請した事業者の24%は「銀行または金融機関は私が抱えるビジネスニーズを理解してくれない」と感じています。新型コロナウイルスの影響を受けている事業者も同様です。

一方で、約半数の事業者は「メインバンクを決める際に、使いやすいオンラインバンクまたはモバイルアプリを利用できるかどうかは重要だ」と答えています。これは「手数料の安さ」に次ぐ要望でした。

また、消費者の決済方法も変わってきました。Shopifyの「今すぐ購入して後で支払う」決済オプションを頻繁に利用するミレニアム世代が増えているのです。とくに子どものいる18歳から34歳までの男性に多く見られます。その主な理由は「一度の支払額が少ないから」「クレジットカードと違って利息がつかないから」でした。

とくに電子機器などの高額商品を購入する際、クレジットカードを使わず購入できるため、この決済方法がとられています。

今後の小売業では迅速な資本調達、電子決済によるスムーズな支払い方法、そして分割払いなど柔軟な決済方法のニーズが高まっていくでしょう。

Shopifyで見据えるEコマースの未来





以上、Shopifyによる調査でわかったEコマースの未来についてお伝えしました。

わずか1年足らずの間に、事業者と消費者が驚愕の速さでニューノーマルに適応しています。小売業はテクノロジーの力を活用することで社会の変化に対応できることが証明されたと考えることもできます。

そして「すべての人のためにコマースをより良くする」を使命とするShopifyは、今後も世界の起業家と個人経営のビジネスを支えていく存在になるはずです。

ARCHETYP Commerceでは、Shopifyの導入から運用まで手厚くサポートしています。ぜひお気軽にお問い合わせください。