【ウェビナーレポート】Shopifyマーチャント向け!物流の課題を解決する方法とは?

2021.04.09

2021年3月10日、オープンロジとShip&Coの共催によるウェビナー「あらゆる規模のShopifyマーチャント対象!物流の最適化と効率化のヒント」が開催されました。

メインスピーカーはオープンロジの臼井拓也氏、 Ship&Coの梶本恵里子氏。

Shopifyとの連携もスムーズなサービスプラットフォームを提供している、オープンロジとShip&Co。どのような視点で物流を考えるべきなのか、また両社は物流の課題に対してどのようなソリューションを提供できるのか、見応えのあるプレゼンテーションが披露されました。

今回は送り状発行のアプリを提供するShip&Co、倉庫と配送の両方を扱えるサービスプラットフォームを提供するオープンロジの順で、ウェビナーの内容を紹介します。



自社・外部委託にかかわらず物流にかかる時間を短縮できる




Shopifyをはじめとする越境ECや、国内ECに取り組んでいる方なら誰もが抱える課題といえば、ズバリ「物流」。なかでも物流業務を自社で完結させるのか、他社に外部委託(アウトソーシング)するのかは永遠の命題ともいえます。

当ウェビナーでは、あらゆる規模のEC事業者に向けて、商品出荷作業や物流にかかる時間を短縮する方法が提案されました。

<スピーカー>
● 臼井 拓也氏:オープンロジ マーケティングチーム
● 梶本 恵里子氏:Ship&Co Growth Manager

はじめに、Ship&Coの梶本 恵里子氏が同社のサービスを紹介しました。

お弁当箱の越境ECから生まれた、Ship&Co




「Ship&Coは自社で開発したシステムです」と話す梶本氏。日本のお弁当箱の越境EC「Bento&Co」を手がける株式会社BERTRANDが、これまでに培ってきた輸出ノウハウを生かして、クラウドベースの送り状作成サービスアプリ「Ship&Co」を開発しました。

2008年に立ち上げた弁当箱専門店Bento&Coは、今ではShopifyでフランス語・英語・日本語のオンラインショップとBtoB向けのサイトを運営しています。ヨーロッパ、北米、アジア・パシフィックをメインに、京都から約100か国で取引を展開しているそうです。

2012年4月には、京都市内の中心部に実店舗もオープン。現在では3F建てのビルの1Fを実店舗、2Fを在庫・出荷作業場、3Fをオフィスとして活用しながら越境ECを続けています。

物流の最適解を模索し、Ship&Coの開発に至る




Bento&Coは、ビジネスが拡大するにつれて、「毎日の出荷作業に時間がかかりすぎる」という課題を抱えることになります。その課題解決のために自社開発したのが、Ship & Coです。

Ship&Coでは、ショッピングカートシステムならびに複数の運送会社とそれぞれAPI連携することでシステム連携が可能になります。ひとつの画面に受注データを取り込んで、同じ画面で利用する運送会社の送り状を作成ができるのです。海外発送の場合、自分で入力するのはサイズと重量ぐらいとのこと。

さらにShip&Coでは送り状発行のAPIを一般に提供しています。このAPIを活用すれば、自社専用のカスタマイズも可能になるのがポイントです。実際にオープンロジもShip&CoのAPIを使用しています。

Ship&Co開発前は、各運送会社のウェブシッピングツールがECと連携していないため、住所や氏名などのコピー&ペースト作業に時間を取られていました。50〜100件の通関書類の作成にかかる時間は、なんと3時間。それがShip & Co導入後、30分程度に短縮できるようになりました。

一時は会社拡大の影響で在庫・出荷作業スペースが確保できなくなったことから、出荷業務を委託に切り替えたという同社。しかし、コロナ禍で在宅勤務を導入したこと、取扱商品数を減らしたことに加えて、料金値上げの話や在庫状況がうまく連携できないことから、再びShip & Coを活用した自社物流に戻したそうです。

クーリエと国際郵便、どっちがいい?


もともとオーナー夫妻の自宅の一室から、国際郵便だけで越境ECを始めたBento&Co。創業当時の経験を振り返り、梶本氏はクーリエ(民間のエクスプレス配送会社)の利用にポジティブな考えを共有しました。

「クーリエを選択すると費用が高いのでは?アカウント作成方法が面倒じゃない?通関書類の作成が難しいのでは?と懸念する方も多いでしょう。しかしアカウント開設もオンラインで簡単ですし、ボリューム(物量)があれば、料金はEMSとさほど変わりません。

一社に絞るよりも、用途や物量に応じて使い分けると良いでしょう。選択肢を持つことが大切です」と梶本氏。

続けて梶本氏は、Bento&Coにおける出荷作業の様子を、1分ほどのショートムービーで紹介しました。ムービーではスキャナーを使って「瞬時に」サイズと重量を測り、Ship&Co画面と連携完了できることがわかります。

ちなみに、容積スキャナーは韓国メーカーのBedal(べダル)という商品だとか。梶本氏によると「この容積スキャナーはとてもおすすめです。興味のある方は、ぜひShip&Coにお問い合わせください」と梶本氏。サステナビリティを重視するユーザーニーズに応えるために、梱包資材にプラスチックは使用していないそうです。

Shopifyの配送料は戦略的に決めよう


梶本氏は、「Shopifyの配送料設定は、あくまでセールスの戦略をもとに決めるといいでしょう。Ship&Coが、(ユーザーのために)設定するものではありません」と述べ、参考までにBento&Coにおける戦略を共有しました。

● 越境の場合、エクスプレス便か通常配送から選べる
● 国内の場合、店舗受取もオプションから選べる
● 国内ではゆうパックを利用
● 国内では配送料金を都道府県別に分けて提案している
● 顧客の目に魅力的に映るよう、通常のゆうパックより送料を安く設定
● 6,000円以上は送料無料

Ship&Coのデモの様子


最後に、Ship&Coのデモが披露されました。オープンロジの臼井氏も「簡単そうですねぇ」と感心するほど、シンプルな操作でした。

アカウント登録はメールアドレスとパスワードの入力のみで作成可能。初期設定は下記4ステップで完了します。

1. プロフィール:会社の連絡先情報
2. 店舗リスト:店舗情報やECストアの店舗を登録。複数でもかまわない(出荷待ちリストに自動的に同期される仕組み)
3. 運送会社リスト:専用の送料を提供しているわけではない。ユーザーが持っている運送会社のアカウントを登録する必要がある
4. 荷送人登録

デモでは、送り状の発行方法についても紹介がありました。デモ動画はYoutubeにアップされていますので、興味のある方は下記リンクよりご参照ください。

Ship&coを始めよう | 一目でわかる使い方動画 −Youtube

Ship&Coの2週間の無料トライアルが用意されており、リミットなくすべての機能が使えるそうなので、EC事業者の方はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?

物流業界の課題をテクノロジーで解決を目指す!オープンロジ




続いてのスピーカーはオープンロジの臼井氏。オープンロジとは、2013年のクリスマスに誕生した会社で、物流のサービスプラットフォームを2014年から運営しています。

臼井氏は冒頭で「物流を自社で賄うのか、外注にするのか、これには正解がありません。企業それぞれのスタイルに合わせることが大切です」と述べました。これはBento&Coがたどった軌跡からも、よくわかります。

物流業界全体やEC事業者が抱える問題に取り組む


さらに臼井氏は続けます。

「物流業界全体の課題は、物流費の高騰。高騰の背景には、圧倒的な人材不足があります。物量は増加しているのに人材は減っている、これが物流費高騰の主な要因です。今後さらに人口が減少することも、物量が増えることも予測されるなか、テクノロジーを利用して物流費の高騰を抑えることに挑戦したい。オープンロジは、この物流業界の抱える課題を社会的問題と捉えて取り組んでいます」

なお、オープンロジは2020年に17.5億円のシリーズC資金調達を実施し、国内有数の総合商社や大手配送企業と連携しながら、社会課題解決を目指しています。

参照:オープンロジ ニュースリリース(2020年10月22日)

「オープンロジは物流企業ですが、物流の機能は保有していません。日本に5000〜6000拠点の倉庫が存在し、既存の物流企業と連携して、シンプルにEC事業者が物流を操作しやすい世界を目指しています。いわゆるマッチングサービスではありません(マッチングもするけれども)。EC事業者が抱える物流の課題の相談や運用構築は、すべてオープンロジに相談してもらえれば解決します」と臼井氏は述べました。



オープンロジは他社のサービス開発を手がけたり、EC事業者向けに物流ソリューションを手がけたりしている会社です。メルカリの物流サービス「あとよろメルカリ便」も、実際にはオープンロジの倉庫を活用しています。

しかしメインのビジネスモデルは、物流フルフィルメントサービスの提供です。すでに取引先のEC事業者数は8,500を超え、2021年3月中には9,000を超える勢いで拡大しています。

Shopifyでも連携実績が高く、2020年9月に200社を突破したリリースが出ていますが、さらに、ここ半年ですでに350社を突破しているそうです。

ECストアとオープンロジをAPI連携させると自動化できるため、EC事業者は大幅にオープンロジを操作する時間をカットできます。自動化の具体例は、ECストアに注文が入ると、倉庫に直接指示が飛ぶというもの。これなら出荷作業にかかる時間を大幅に削減できますね。

なおオープンロジでは倉庫をデジタル化することで、配送の質も向上させています。通常の物流会社の場合、システムと倉庫を分けて管理しており、さらにシステムと倉庫が対応しているかといった確認も必要です。つまり物流の課題解決までに3段階もかかるのです。一方オープンロジなら窓口はひとつ。オープンロジが、ユーザーであるEC事業者にとって最適な新しい物流のあり方を構築してくれます。

オープンロジは、契約面でもユーザーフレンドリーです。臼井氏は、「いつでも始められるし、いつでもやめられる。最速で2日後にはオープンロジの倉庫から発送できる。基本的に固定費はありません。物量が多くなってくると、コストが下がるため固定費を提案することがあります。そのときどきの物量に合わせて物量を担保しなくていいのが利点です」と述べています。

倉庫のネットワーク化や最新の取り組み


オープンロジは各倉庫と提携してネットワーク化を実現しています。ユーザーにとっては、将来の倉庫移管にかかるスイッチングコストも踏まえた提案ができる点がメリットです。EC事業が成長し物量が上がると、今まで契約していた倉庫ではキャパオーバーになることがありえるでしょう。

多くのEC事業者が移管に直面すると、数百万という費用の高さに驚くのだとか。オープンロジならネットワークをもとに、EC事業者にとって取り組みやすいスイッチングコストを提案してもらえるでしょう。またEC事業者の規模に応じた、最適な倉庫も提供してもらえます。

なおオープンロジは現在35拠点の倉庫を保有していますが、年内に80拠点まで拡大する予定とのことです。

臼井氏は、次のようなオープンロジの最新の取り組みも紹介しました。

1. ブランドイメージを高める独自梱包資材対応を始めた(ダンボール保管費用と作業費用がかかる)
2. アパレル事業者から要望の多い「ささげ機能」(撮影・採寸・原稿作成)を倉庫で行えるようになった
3. 冷蔵・冷凍・常温に対応した東京の倉庫が飲食物のEC事業者に大人気で、とても需要が高い(2021年1月から稼働開始)
4. 難しい案件でも対応できる倉庫が手をあげる「立候補制度」を設けている

EC事業者が外注を決めるタイミングとは


自社物流を外部に委託する。このアイデアはどのEC事業者の頭にもよぎります。では何を判断基準にして外注を決めているのでしょうか?臼井氏は次のように述べました。

「オープンロジにご相談いただくEC事業者の方は、出荷件数が100〜200の場合が多いです。時間と費用ももちろん大切ですが、ビジネスが拡大できる土台をしっかり作っていくことが何よりも重要です。

オープンロジに依頼すれば、出荷にかかる時間が減り、その分プロダクトの磨き込みやマーケティングに注力できるため、売上上昇に転換していくことができる。そのような声を事業者様から頂けています。

事業をどのように成長させていくのかをプランニングした上で、事業成長のフェーズに合わせて自社を選ぶのか外注を選ぶのかを都度判断するのが良いと思います」

オープンロジのデモ


最後にオープンロジのデモ画面について紹介がありました。

このデモは誰でも使えるもので、Googleで「オープンロジ デモ」と検索すれば簡単にアクセスできます。

デフォルト画面に「Shopify連携」タブはありません。タブを追加すると、Shopifyに陳列している商品情報が「商品情報インポート」をワンクリックするだけで取り込めます。

さらに「設定」から「出庫依頼の自動連携」を有効にすれば、オープンロジの画面を操作しなくても出荷されるため、時間短縮につながります。

問い合わせフォームから「外部連携」をクリックし、必要事項を入力し「Shopify連携」を選んで送信すれば1〜2日で追加されるので簡単です。連携に一切費用はかからないそうです。

Shopifyとの連携による自動化で、物流の時短は可能


物流を自社で担うか、外注に委託するのかは、取扱う商品群などECストアの特徴に合わせて選ぶ必要があります。

どちらを選ぶにせよ、ECストアとのAPI連携による自動化で、商品の出荷作業や物流にかかる時間を大幅に削減することができるでしょう。

EC事業者の方は、ぜひ事業成長に向けて、自動化をうまく取り入れてみてください。